…京橋の八丁堀にある組屋敷に居住し,通常30俵二人扶持を給せられた。同心の職掌は,定町廻(じようまちまわり),隠密廻,臨時廻(以上を三廻りという)のように,緋房の十手を持って町中を巡回し犯罪捜査,犯人逮捕にあたる者のほか,年番方(役所全般の取締りや金銭出納),例繰方(刑事判例の調査),吟味方(裁判の審理),牢屋見廻(牢屋の事務監督),赦帳撰要方人別調掛(恩赦),町火消人足改(町火消の指揮)等,警察を中心に行刑,裁判から市政一般にわたる多くの分課があった。同心は各分課の与力の指揮の下に職務を行ったが,三廻りなど同心だけで構成される分課もあった。…
…江戸時代に諸役人の手先になって,私的に犯罪の探査,犯罪者の逮捕を助けたもの。岡引(おかつぴき),御用聞,小者,手先ともいう。目明しとは目証(めあかし)の意味で,犯罪者に同類たる共犯者を密告させ,その犯罪を証明させたことに由来する。宝永・正徳(1704‐16)ころ,京都で役人が町を巡るとき,囚人に編笠(あみがさ),腰縄(こしなわ)をつけて連れて歩き,共犯者を指名させ,その功で罪をゆるすことが行われ,これを目明しと呼んだのが最初で,この影響を受けて江戸でも行われるようになった。…
※「三廻り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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