三輪町(読み)みわまち

日本歴史地名大系 「三輪町」の解説

三輪町
みわまち

面積:二一・七一平方キロ

朝倉郡の西部にあたる。東は甘木市、北から西は夜須町、南は三井みい大刀洗たちあらい町・小郡市と接する。北部は古処こしよ(六五九・五メートル)の末端が延び、町の中央部を目配めくばり(四〇五メートル)山麓から発した草場くさば川、東端小石原こいしわら川がともに南西に流れ、扇状地を形成している。広義には筑紫ちくし平野の北部にあたる。町名弥永の大己貴いやながのおおなむち神社の別名大三輪おおみわ社による。同社は神功皇后伝説にまつわる社伝を有し、現在も「おんがさま」の名で親しまれる。古代夜須やす栗田くりだ(和名抄)が町域内に比定され、また大宰府から豊後国府に向かう官道に設けられた隈埼くまさき駅を町内に比定する説が有力である。弘誓寺(栗田七寺の一つ)の慶源が埋納した経筒の寛治三年(一〇八九)銘文が「太宰管内志」に載るが、現在は所在不明である。また前述の大己貴神社は夜須郡唯一の式内社とされる。平安時代には栗田庄が安楽寺(太宰府天満宮)宝塔院領であった。鎌倉時代には宇佐宮弥勒寺領依井よりい庄などがみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報