栗田庄(読み)くりだのしよう

日本歴史地名大系 「栗田庄」の解説

栗田庄
くりだのしよう

平安時代からみえる庄園。古代夜須やす栗田郷(和名抄)の郷名を継承する。現栗田付近に比定される。安楽寺草創日記によると、寛和二年(九八六)に当庄は安楽寺(太宰府天満宮)の宝塔院に寄進されており、承保三年(一〇七六)には当庄から宝塔院に御日会料一石が寄進されたという。享徳三年(一四五四)八月日付安楽寺公文所下文(太宰府天満宮文書/大宰府・太宰府天満宮史料一三)には御祭田楽の酒直を賦課された寺領所々のなかに「栗田御庄」がみえる。永禄三年(一五六〇)八月一九日に大鳥居信渠が書写した御祭騎馬貫首支配帳(大鳥居文書/大宰府・太宰府天満宮史料一五)によると、丑・未・辰・戌の年の御祭騎馬の貫首を割当てられた寺領所々のなかに「栗田」が含まれている。


栗田庄
くるすだのしよう

大野郡に所在した庄園。貞観一四年(八七二)三月九日の貞観寺田地目録(仁和寺文書)に美濃国庄五所の一として「栗田庄熟田十五町在大野郡」とあり、「枚田庄」とともに源朝臣に与えられた賜田が、同六年四月九日の太政官符で同寺に施入されたものと記されている。比定地は未詳だが、「和名抄」に記載の大野郡栗田郷の地に所在したものであろう。「濃飛両国通史」は同郷の位置を現在の谷汲村かとしたうえで、美濃国神名帳にみえる大野郡座三二社の一つ従五位下栗栖田明神を栗田郷の鎮守とし、郷名は「くるすだ」と読むものと推測している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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