…一方,魂魄の離散すなわち死という観念は,一転して,魂魄を体内に拘束することによって生命を永遠に維持しうるという考えを生み,〈拘魂制魄〉の方術が仙術およびそれを継承した道教の中で発達した。この過程で,魂魄は人間の体内にあって生命活動をつかさどり,行為の善悪を監視する体内神の一つと考えられるようになり,さらに台光,爽霊,幽精の三魂と尸狗,伏矢,雀陰,呑賊,非毒,除穢,臭肺の七魄とに細分されるに至った。また,古来,夢は睡眠中に身体から遊離した魂魄が外界と接触することによって起こる現象と考えられたが,こうした観念は,身体を離脱した魂魄が遠隔地に現れて本人として活動し,再び肉体にもどるとか,他人に憑依(ひようい)するといった怪異譚を生み,六朝の志怪小説や唐代の伝奇小説にかっこうの主題を提供している。…
※「三魂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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