上依知村(読み)かみえちむら

日本歴史地名大系 「上依知村」の解説

上依知村
かみえちむら

[現在地名]厚木市上依知

東・北を相模川が流れ、南は山際やまぎわ村に接する。八王子道が中ほどを南北に貫き、村域の南部で西へ通る大山道が分岐する。

文永八年(一二七一)九月一四日の日蓮書状(県史一)に「えち」、一〇月二二日の日蓮書状(同書)に「相州愛(甲)郡依智郷」とある。九月一二日に捕らえられた日蓮は、一四日に依智えちの本間重連の代官右馬太郎に預けられ、一〇月一〇日に本間氏が守護代であった佐渡に流されるまでこの地に滞在した。元徳元年(一三二九)一〇月日の弘円(志岐景弘)代覚心重申状案(県史二)によれば「相模国依智郷」が尼妙蓮から子の支岐景光に譲られている。永正一六年(一五一九)四月二八日の宗瑞(伊勢長氏)箱根領注文(県史三)に菊寿丸知行分として「百四十くわん文 うのとしの納えちのかう」とあり、小田原衆所領役帳に幻庵「弐百貫文 中郡依知郷」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報