上南摩村(読み)かみなんまむら

日本歴史地名大系 「上南摩村」の解説

上南摩村
かみなんまむら

[現在地名]鹿沼市上南摩町・旭が丘あさひがおか

南摩川の上流一帯を占め、同川が村の中央を北西から南東に流れる。南東は西沢にしざわ村、東は野尻のじり村。日光山往古社領六十六郷の一つに「南摩郷」がある(日光山常行三昧堂新造大過去帳)。元亀四年(一五七三)常陸佐竹義重は皆川広照を攻め、当地において戦闘が展開された。同年正月一六日の佐竹義重官途状写(秋田藩家蔵文書)などに「なんまの地」とみえ、義重は茂木義範の戦功を賞している。慶長一七年(一六一二)の関東八州真言宗諸寺連判留書案(醍醐寺文書)に「上南摩」の宝城ほうじよう寺の名がみえる。慶安郷帳では田一一七石余・畑五四八石余、ほかに宝蔵(城)寺領一〇石・広厳こうごん寺領七石・輪福寺領三石・北坊領五石・鹿島明神(現鹿島神社)領五石・八幡宮領三石を記す。寛永一二年(一六三五)から阿部重次領、慶安元年(一六四八)武蔵岩槻藩領となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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