上吉影村藤衛門(読み)かみよしかげむら・とうえもん

朝日日本歴史人物事典 「上吉影村藤衛門」の解説

上吉影村藤衛門

没年宝永6?(1709)
生年:生年不詳
江戸時代の百姓一揆の指導者。常陸国(茨城県)茨木郡水戸藩領上吉影村(小川町)の庄屋であったが,藩の宝永改革による夫役徴発や年貢増徴に反対し,改革担当者松波勘十郎らの罷免要求して,藩領全域の百姓およそ3000人と共に江戸にのぼり,支藩の守山藩邸への門訴や藩邸への出訴,藩主への駕籠訴(未遂)などをおこない,ついに改革の中止を藩に認めさせた。これを水戸藩宝永一揆という。藤衛門と共に闘争を指導した北領頭取らは,殺害されたという伝承(常陸太田市の岡部氏墓地の首切地蔵,小沢町の身代地蔵の伝承)があるほか,藤衛門も闇討ちにされたとの伝承が残る。<参考文献>林基「松波勘十郎捜索」(『茨城県史研究』29号ほか),江川文展『宝永一揆』,長須祥行越訴―水戸藩宝永一揆の謎―』,瀬谷耕作『勘十郎堀

(斎藤善之)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「上吉影村藤衛門」の解説

上吉影村藤衛門 かみよしかげむら-とうえもん

?-? 江戸時代中期の一揆指導者。
常陸(ひたち)水戸藩領上吉影村の庄屋。藩の宝永の改革による年貢増徴や夫役徴発に反対し,改革の中止と改革を指揮した松波勘十郎らの罷免(ひめん)を要求。宝永6年(1709)領内農民とともに江戸藩邸にうったえでて要求をみとめさせた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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