上野沢村
かみのざわむら
[現在地名]遊佐町野沢
広野新田村の南にあり、鳥海山麓西側の末端に位置する。長坂などには縄文時代の、大坪などには奈良―平安時代の、下くね添には鎌倉―室町時代の集落跡があり、水上などには鎌倉―室町時代の墳墓がある。野沢館は龍沢山頂にあり、東西一三〇間・南北八〇間の土塁が残っている。永承二年(一〇四七)阿倍頼時の子黒沢尻五郎正任が、前九年の役ののち当地に館を築いたが、水の便が悪く正任は蕨岡上寺村の松岳山に移り、同館は家臣葛井氏が守った。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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