下万呂村(読み)しもまろむら

日本歴史地名大系 「下万呂村」の解説

下万呂村
しもまろむら

[現在地名]田辺市下万呂

みなと村の東に位置し、上万呂・中万呂を流れてきた三栖みす(現左会津川)が村の中央部を横断、やがて村北辺を流れて下秋津しもあきづ村との境をなす。南部山麓を熊野街道中辺路が通る。村域内に初山はつやま城跡楠本くすもと城跡と伝える古墳のような小山二つがある。「後鳥羽院熊野御幸記」建仁元年(一二〇一)一〇月一三日条に秋津王子を過ぎて「超山参丸王子」とみえ、この丸王子は上万呂にある万呂王子とされるので、王子名が地名を負うとすればその初見であろう。

慶長検地高目録によれば村高六六五石余。江戸時代初期の田畑面積は四六町余、うち田が七割。以降灌漑工事および新田開発が行われ、宝暦一〇年(一七六〇)までに池二ヵ所(総面積二七町余)が造られ、新田畑八町余の増加をみた(宝暦一〇年「三栖組差出帳」田所文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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