御用留(読み)ごようどめ

日本歴史地名大系 「御用留」の解説

御用留
ごようどめ

一五巻

原本 巻一―四、六―九、一一―一五は和歌山市竹内長五郎家、巻五・巻一〇は和歌山市平田誠一家

解説 和歌山城下の町大年寄小池五兵衛(代々襲名)手元記録した幕府からの公儀触、町奉行所からの町触、大年寄間の連絡の記録。弘化二年九月から明治二年一一月にいたるが、その間弘化四年四月―嘉永元年一〇月、安政元年三月―同一一月、安政六年四月―同一二月の三期間が欠落している。幕末維新の激動期の庶民生活を知ることのできる貴重な史料

活字本和歌山市史」五に一部所収


御用留
ごようどめ

四二冊

原本 田辺市闘鶏神社

解説 江戸時代を通じての田辺組大庄屋記録。しかし大庄屋田所顕意が「万代記」を綴った天保一〇年以前のものはその折に処分されたらしく伝存せず、翌一一年より明治二年までが伝わる。内容政治経済・生活など万般にわたる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御用留」の意味・わかりやすい解説

御用留
ごようどめ

江戸時代,幕府,諸藩役所町村役人の手元で記録された公用文書控え簿をいう。長年にわたって記録されたものが,藩庁記録や村方 (むらかた) 文書のなかに残存しており,行政制度変化生活環境実態を知る史料とされる。

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世界大百科事典(旧版)内の御用留の言及

【廻状(回状)】より

…多くの場合,一般的法規制にかかわる文書が触書と呼ばれたのに対し,廻状は年貢,夫役の徴収命令や臨時の通達などを主としたが,触書もふつうは廻状形式をとって伝達されるのであり,古文書学上の区別は難しい。廻状を回す村は,十数ヵ村が一組となっており,各村では廻状を受け取ると,名主がその内容を〈御用留〉〈御廻状写帳〉などに写し取り,廻状に時刻を書き込んで次の村に回した。そして最後の村(留村)から差出者に返す定めであった。…

【村方文書】より

…明細帳は現代の市・町・村勢要覧にあたる。 以上のほか,領主からの触書(ふれがき),廻状類の写し(御用留(ごようどめ)類),村方からの各種の訴状の控えや案文(あんもん)など村方文書の種類はきわめて多様である。これらの公文書によってその村の骨格を知り,さらに農業日記,営業帳簿,香典帳などの各種の私文書による考察を併せて進めれば,村の歴史的状況を広範かつ確実に知ることができる。…

※「御用留」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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