不干渉委員会(読み)ふかんしょういいんかい(その他表記)Nonintervention Committee

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不干渉委員会」の意味・わかりやすい解説

不干渉委員会
ふかんしょういいんかい
Nonintervention Committee

1936年7月スペイン内乱勃発に際し,イギリス,フランスは中立不干渉表明,イギリスの A.イーデン外相,フランスの L.ブルム首相の呼びかけで,9月9日ドイツ,イタリアソ連を含む 27ヵ国代表がロンドンで開いた委員会。同委員会は議論に終始して結論を出すことができず,その後内乱期間を通じて散発的に開催されたが,その間ドイツ,イタリアは反乱を起した F.フランコ将軍を積極的に援助し,結局,不干渉委員会はスペインの人民戦線政府側への援助を妨害する役割しか果さなかった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の不干渉委員会の言及

【スペイン内乱】より

…以上は,7月末から8月初旬にかけての経緯である。 一方,8月初め,フランスのイニシアティブでスペインにおける紛争をイベリア半島に限定するため,ヨーロッパ諸国の不干渉委員会が成立した。このフランスの提案を最も強く支持したのはイギリスであった。…

【戦間期】より

…しかしながら新政府の社会改革計画は資本側の抵抗にあって行き詰まり,さらに7月に勃発したスペイン内乱に伴う外交指導の危機にさらされ,統治能力の喪失を露呈した。人民戦線政府に対する軍部のクーデタに始まるこの内乱に際してブルム政府は,反乱側へのドイツ,イタリアの援助にもかかわらず,イギリスの圧力とフランス国内世論の分裂の危機に直面して不干渉政策を提案し,9月にはロンドンに不干渉委員会が設けられた。ちなみにフランスの干渉反対派は,親独的な保守派だけでなく非共産系左翼のうちの教条的反戦主義者や絶対平和主義者をも包含し,フランスにおける〈宥和(ゆうわ)主義〉の複雑な断面を示していた。…

※「不干渉委員会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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