化学辞典 第2版 「不溶性酵素」の解説
不溶性酵素
フヨウセイコウソ
insoluble enzyme
酵素の連続使用を試みるため,化学的処理によって不溶化ないしは固定化した酵素のこと.酵素を固定化すると酵素活性,耐熱性,至適pHなどの性質が変化する.活性炭,酸性白土などの担体に吸着させる物理的吸着法,DEAEセルロース,CMセルロースにイオン結合させるイオン結合法,p-アミノベンジルセルロース,ポリアミノポリスチレンのジアゾ化合物を酵素と結合させるジアゾ化法,ペプチド法,アルキル化法などの担体結合法,二官能性試薬による架橋法,ポリアクリルアミドゲルによる包括法,電気化学的成形法などがある.不溶化アシラーゼによるL-メチオニン,複合酵素系によるグリセルアルデヒド3-リン酸の製造,不溶化プロナーゼによる不純タンパク質の除去,グルコース,乳酸の連続定量,酵素電極,人工臓器などに応用されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報