世界陸上競技選手権(読み)せかいりくじょうきょうぎせんしゅけん(英語表記)IAAF World Championships in Athletics

知恵蔵 「世界陸上競技選手権」の解説

世界陸上競技選手権

陸上競技の各種目の世界一を決める舞台として、1983年にヘルシンキ(フィンランド)で第1回大会が開かれ、五輪と並んでトップクラスが集うイベントとなった。91年の東京大会までは4年ごとの開催だったが、以後五輪の前年翌年隔年に開かれている。91年の東京開催では、男子マラソンの谷口浩美が金メダルを獲得。大会としても男子100mのカール・ルイス(米)が9秒86の世界新記録(当時)をマークするなど、国立競技場を満員にするほど盛り上がり、選手たちは大きな目標にするようになった。2001年のエドモントン(カナダ)大会では男子ハンマー投げで室伏広治銀メダル、同400mハードルで為末大が銅メダルと、長距離・マラソン以外の種目で初のメダルを獲得して注目を集めた。03年のパリ(仏)大会では、末續慎吾が男子200mで3位。日本の陸上競技史上初めて、五輪、世界選手権の短距離種目でメダルを獲得した。05年のヘルシンキ(フィンランド)大会では男子マラソンで尾方剛が、同400mハードルでは為末大が、ともに銅メダルを獲得した。

(小森貞子 スポーツライター / 2007年)

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