中村鎮（読み）ナカムラ チン

20世紀日本人名事典

中村 鎮
ナカムラ チン

明治〜昭和期の建築家

生年

明治23(1890)年10月20日

没年

昭和8(1933)年8月19日

出生地

福岡県

学歴〔年〕

早稲田大学建築科〔大正3年〕卒

経歴

大正4〜6年陸軍技手。学生時代から建築雑誌に寄稿、アール・ヌーボーなど、大正初めに欧米から流入した前衛的なデザインの芸術的価値を擁護、野田俊彦の建築非芸術論と対立、“俊鎮論争”を引き起こすなど、建築界の論客として知られた。10年中村建築研究所を設立、コンクリート・ブロック建築の設計に力を入れ“チン・ブロック”と呼ばれた。その後表現主義から合理的デザインに傾斜した。作品に「本郷基督教会堂」(大15年)、「大阪島之内教会堂」(昭2年)など。著書に「中村鎮遺稿」がある。

出典　日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

中村鎮 なかむら-ちん

1890－1933　大正-昭和時代前期の建築家。
明治23年10月20日生まれ。陸軍技手をへて,大正10年中村建築研究所を設立。建築雑誌などで建築の芸術性を論じ,住宅・教会建築をてがけた。昭和8年8月19日死去。44歳。福岡県出身。早大卒。作品に本郷基督(キリスト)教会堂,大阪島之内教会堂。

出典　講談社