日本歴史地名大系 「中瀬」の解説
中瀬
なかぜ
旧北上川河口から約一キロ北方の河心に位置する長さ約六二五メートル、平均幅約八〇メートル、面積約五ヘクタールの中洲名。元禄年間(一六八八―一七〇四)の「牡鹿郡万御改書上」に「中瀬 三百四十四間 百九拾間 石巻分 百五拾四間 門脇分」とある。江戸時代中期の製作と推定される石巻絵図(東北大学図書館蔵)には下中瀬と記され、下中瀬の上流約六〇〇メートルの河心に面積が下中瀬の三分の一弱の上中瀬、その約二〇メートル上方に上中瀬の約五分の一強の小中瀬が描かれる(小中瀬および上中瀬は明治末期までに水没)。上中瀬・下中瀬には巨大な板材の集積がみえ、御座船棟梁并御舟横目大工棟梁役を世襲した中村氏一族の指導のもとに、御座船・穀船・商荷積船が両中洲で建造されていた(門脇村安永風土記)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報