コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

普請 ふしん

5件 の用語解説(普請の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

普請
ふしん

「ふしょう」とも読む。禅宗寺院ですべての僧が上下のへだてなく作務労役に従事すること。この語が建築に用いられるようになったのは室町時代頃からで,のち普請奉行などの役職も生じるようになった。また工事に関する費用の寄付募集の意味にも用いられる。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

ふ‐しん【普請】

[名](スル)《「しん(請)」は唐音
家を建築したり修理したりすること。建築工事。また、道・橋・水路・堤防などの土木工事。「離れを普請する」「にわか普請
禅寺で、多数の僧に呼びかけて堂塔建造などの労役に従事してもらうこと。

出典|小学館
デジタル大辞泉について | 情報 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

ふしん【普請】

土木工事,建築工事を指す用語。元来は仏教用語,とくに禅宗で用いられた語で,あまねく人々に請い,共に力を合わせて労役に従事し,事をなすことをいう。曝書,除煤,摘茶,掃除や堂塔の造営など幅広い労役に用いられたが,そこから転じて,室町時代には一般に土木工事のことをいうようになる。 鎌倉幕府の職名には作事奉行の名が見えるのみで,これが建築,土木の両工事を管掌したとみられるが,室町幕府では,建築工事は作事奉行が,土木工事は普請奉行が管掌するように分化している。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

大辞林 第三版の解説

ふしん【普請】

( 名 ) スル
〔「しん」は唐音〕
家屋を建てたり修理したりすること。建築。また、土木工事。 「安-」 「母屋おもやを-する」 「道-」
築城の際の土木工事をいう語。 〔室町時代から江戸中期にかけて建築工事(作事)と区別していった〕 → 作事
禅宗で、寺院の修行者が力を合わせて作業に従事すること。

出典|三省堂
大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

普請
ふしん

(あまね)く大衆を招請して均等に労働作業に従事すること。これは元来一般的な共同勤労の意であったようであるが、とくに中国唐代の禅院において、従来の個人的修証を一掃し、集団による生産労働(とくに農耕)を中心にし、いっさいの行為が互いに協調していくなかで真の自己を究明するという重要な修証の意味に発展した。その普及が、後世ふたたび一般化して、共同社会において人々が土木建築に協力従事することに用いられ、さらにその工事自体をさすようになった。[小坂機融]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内の普請の言及

【国奉行】より

…(a)には,幕府代官や小大名の農政を監察する任務(この任務は諸藩に置かれた郡代と共通している),新たに知行を与えられた領主に地方を割り渡す任務が含まれている。(b)は,百姓から国役として人夫を徴発し,築城や河川工事などの普請に従事させ,また大工頭による職人からの国役徴発を援助する任務であった。 以上を要するに国奉行は,生野銀山の但馬,鉄の産地の備中,舟運の要地伊勢(伊勢国奉行の後身山田奉行の任務の一つに鳥羽港の管掌があった)などに置かれたことからもわかるように,交通・分業を掌握し,普請や戦争に必要な要員や物資を動員するのが主たる任務であったといえよう。…

【建築】より

…〈建築〉という用語は比較的新しく,1897年(明治30)に造家(ぞうか)学会が建築学会と改称してから公認されたもので,建築学者の伊東忠太がアーキテクチャーarchitectureに対応する新語として提案した。それまでは,土木建築工事一般を〈普請(ふしん)〉,建物に関する工事を〈作事(さくじ)〉と呼んでいた。アーキテクチャーとは,単なる建造物building,structureに対して,一定の芸術的様式をもつ建物一般をさす集合名詞であり,かつ,それらをつくりだす建築技芸の体系を意味する。…

【作事】より

…神社,仏閣の築造は室町時代とくに造営といった。また普請は築地,庭園の造作等の土木工事を指す語として用いられた。近世初頭の城郭建設においては,石垣工事等を普請,殿舎を建築することを作事といい,普請奉行作事奉行がそれぞれ指揮・監督した。…

【清規】より

…中国仏教の実情に即して,自給自足を原則とする新しい禅院規範が要求された。百丈は大衆とともに率先労働し,これを普請と名づける。〈一日作(な)さずんば,一日食わず〉とは,彼の自戒の句であった。…

【百丈懐海】より

…江西馬祖の禅をうけ,百丈山を創して禅院の独立をはかる。インド仏教の戒律で禁ぜられた生産労働を肯定し,これを普請とよんで,集団生活の基礎とするとともに,住持以下の職制を定め,百丈清規として成文化する。みずから率先して執労し,〈一日作(な)さずんば一日食わず〉と自戒したと伝え,門下に潙山霊祐,黄檗希運などが出て,百丈山は盛期の禅の中心となった。…

【兵農分離】より

…地域ごとの価格差が著しいことや,輸送手段を独占していることが,彼らにとって利潤抽出を容易にしたものと思われる。鍛冶・番匠・鋳物師など特殊技能をもつ職人集団は武具などの生産に従事し,築城・普請などに動員された。彼らは領主に対して役儀として技能を提供し,その見返りとして種々の特権が与えられ,独占的な営業を保証された。…

※「普請」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

エンゲルの法則

家計の総消費支出に占める飲食費の割合 (エンゲル係数 Engel coefficientと呼ぶ) は,所得水準が高く,したがって総消費支出が大きいほど低下するというもの。エンゲル係数は国民の消費生活面...

続きを読む

コトバンク for iPhone

普請の関連情報