精選版 日本国語大辞典 「丸呑」の意味・読み・例文・類語
まる‐のみ【丸呑】
- 〘 名詞 〙 ( 「まる」は接頭語 )
- ① 物をかみくだかないで、そのまま呑みこむこと。
- [初出の実例]「渾崙人は棗を丸呑にする也」(出典:碧巖万安抄(1641)三)
- ② 全体をのみ込むこと。ことごとくのみ込むこと。転じて、全体を一つに従えること。全体を乗っ取ること。
- [初出の実例]「吉田の家を丸のみにしたいとて、させうか」(出典:浄瑠璃・双生隅田川(1720)三)
- ③ よく理解しないで記憶したりとり入れたりすること。うのみ。
- [初出の実例]「渾崙に呑レ棗如く此則をば丸呑にせんぞ」(出典:碧巖万安抄(1641)三)
- ④ そっくり受け入れること。そのまま承諾すること。
- [初出の実例]「丸のみの賛成もできず全然反対もできず」(出典:一人の平和主義者から福田恒存へ(1955)〈中島健蔵〉二)
- ⑤ 取引市場で、取引員が客の売買の注文を、そのまま受け入れること。