日本大百科全書(ニッポニカ) 「九仭の功を一簣に虧く」の意味・わかりやすい解説 九仭の功を一簣に虧くきゅうじんのこうをいっきにかく 「仭」は高さや深さの単位で「ひろ」に相当し、中国、周代の尺度では8尺(約1.8メートル)とも、7尺、4尺などともいう。「簣」はもっこ(畚)のこと。9仭に及ぶほどの高い山を築き上げるにも、最後の一もっこの土を欠いたのでは完成しないとの意で、長年の努力もたった一つの失敗によって不成功になってしまう、ということのたとえ。『書経』「旅獒(りょごう)篇」に、「夙夜(しゅくや)(朝から夜まで)勤めざれば、成ること罔(な)し。細行を矜(つつし)まざれば、終(つい)に大徳を累(わざわい)す。山を為(つく)る九仭、功を一簣に虧く」とある。[田所義行] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例