日本大百科全書(ニッポニカ) 「九重(町)」の意味・わかりやすい解説
九重(町)
ここのえ
大分県西部、玖珠郡(くすぐん)にある町。1955年(昭和30)野上(のがみ)町と南山田(みなみやまだ)、東飯田(ひがしはんだ)、飯田の3村が合併して改称。町名は、九州の屋根といわれる九重(くじゅう)火山群による。北部に国道210号、JR久大(きゅうだい)本線が通じ、大分自動車道の九重インターチェンジがある。西部の国道387号の沿線には壁湯(かべゆ)、宝泉寺(ほうせんじ)、川底(かわそこ)などの温泉、飯田高原のやまなみハイウェイ沿線には長者原(ちょうじゃばる)、筌ノ口(うけのくち)、星生(ほっしょう)などの温泉や寒ノ地獄(かんのじごく)の冷泉がある。また、展望に優れた牧ノ戸峠(まきのととうげ)や渓谷美の九酔渓(きゅうすいけい)のほか、八丁原(はっちょうばる)と大岳(おおたけ)には九州電力の地熱発電所がある。玖珠盆地と玖珠川谷の米作と、広い原野の牧牛が主産業で、キャベツ、トマトなどの高原野菜やシイタケの産もある。面積271.37平方キロメートル(境界一部未定)、人口8541(2020)。
[兼子俊一]
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