「きっこうばか」とも。方音ではカーミナクーバカ。外形が亀甲状になっている沖縄特有の墓。中国華南地域の墓形式の影響をうけているという。現存最古のものは那覇市首里石嶺町の伊江御殿(いえうどうん)家の墓で17世紀末に築造されたらしい。破風(はふ)墓よりも後代に現れ,首里王府時代は破風墓とともに一般庶民には築造が禁じられ,士族階層のみに許された。一般庶民に広く普及したのは明治中期以降。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
… 墓ははじめは天然の洞穴を利用していたが,やがて横穴を掘るようになり,のちに平地に築造するようになった。本格的な墓の築造は13世紀末の〈ヨウドレ〉(国王の墳墓)にはじまるとされ,先祖崇拝の厚い沖縄では立派な墓が多いが,墓の形としては,〈亀甲墓〉と〈破風墓〉の二つがよく知られている。亀甲墓は亀の甲の形に似ていることにその名が由来し,築造は堅固である。…
※「亀甲墓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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