五人組帳前書(読み)ごにんぐみちょうまえがき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五人組帳前書」の意味・わかりやすい解説

五人組帳前書
ごにんぐみちょうまえがき

江戸時代の庶民向け法令の一種五人組帳最初の数丁に記されるので前書という。領主が封建道徳そのほか庶民の日常生活の心得を詳細に規定したもの。普通,50ヵ条前後のものが多く村役人五人組頭に五人組頭は五人組の寄合で組の成員読み聞かせ周知徹底をはかった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の五人組帳前書の言及

【村法】より

…1720年(享保5)の〈相定申村相談之事〉は,山林芝地等にみだりに入り込み,勝手に草木を苅り取り伐り取る者に対する処罰規定である。また59年(宝暦9)の〈一札之事〉は博奕禁止規定で,これには五人組帳前書の趣旨が貫徹している。これらの個別規定に対し,1715年(正徳5)の〈相定申村中連判手形之事〉や68年(明和5)の〈村中連判帳〉は,ともに10ヵ条を越す包括規定で,いずれも公儀の法度を重んずべきことが強調され,その上で村のもつ各種の問題につき規定している。…

【村方文書】より

…この帳面には各家ごとに持高を記したものがかなりある。 領主による村人の精神的支配を表現したものが五人組帳前書(まえがき)である。五人組帳そのものは村内の五人組構成を記しただけの簡単なものだが,これには数十ヵ条もの前書がついている場合が多い。…

※「五人組帳前書」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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