五広大(読み)ごこうだい(その他表記)ogwangdae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五広大」の意味・わかりやすい解説

五広大
ごこうだい
ogwangdae

韓国の仮面舞劇。野遊劇ともいう。五広大とは5人の演戯者または5つの仮面の意。慶尚南道一帯の河川地域に分布し,晋州,昌原,金海,統営,固城では五広大,水営,東莱,釜山鎮では野遊劇と称する。発祥地は洛東江辺の草渓栗旨里とされる。初期の五広大は竿広大という雑伎を演じていた。のち海路を通じて慶南内陸の海岸線一帯に伝播し,盛んに上演された。五広大の名称は,五が中国の陰陽五行あるいは五方の辟邪観念に由来していることによる。晋州と馬山五広大には五方神将舞がみられる。のちに娯楽的演戯の要素が加味され,劇内容と主題は楊州別山台都監劇とほとんど同じで,音楽や舞踊には地方色が強くみえる。現存の水営野遊劇と固城五広大が比較的に原形をとどめ,統営五広大は近年に潤色された。劇内容は,(1) 辟邪儀式舞踊,(2) 両班 (特権階級) への反感侮辱,(3) 破戒僧風刺,(4) 夫と妻,妾の三角関係と家庭悲劇,(5) 逐邪延祥の祝願 (獅子舞) ,から成っている。上演は辟邪儀式としては正月 14日,また3月と4月の初めに行われている。さらに祈雨祭 (雨乞い) 行事にも演じられる。

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