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獅子舞 ししまい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

獅子舞
ししまい

幌(幕)をつけた獅子頭を操るの総称。多くは 2人一組で 1頭の獅子になる二人立ちだが,1人で 1頭となる一人立ちや,囃子の乗る台車を幌で覆って舞うものもある。歴史は古く,8世紀頃に中国から散楽芸能として伝来した二人立ちの獅子が,中央の大寺社で演じられた伎楽行道悪魔払いの先導役として取り入れられ,舞楽の演目にもなって各地に伝播したと考えられている。

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デジタル大辞泉の解説

しし‐まい〔‐まひ〕【×獅子舞】

獅子頭をかぶって舞う民俗芸能。大陸から伝わった伎楽系の二人立ちのものと、日本に古くからある風流(ふりゅう)系の一人立ちのものとがある。信仰的には五穀豊穣・悪魔祓(あくまばら)い・雨乞(あまご)いなどを目的とする。 新年》「吹かれつつ―とゆく伊良胡岬/林火
能の舞事(まいごと)の一。獅子の舞い狂うさまを写した急調子の舞。「石橋(しゃっきょう)」「望月(もちづき)」などにある。

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百科事典マイペディアの解説

獅子舞【ししまい】

獅子踊とも。獅子頭(がしら)をいただいて舞踊するもの。(1)二人立は伎楽系の獅子頭からたれた胴幕に二人入って踊る。舞楽,田楽(でんがく),神楽(かぐら)の一曲として,また独立に祭礼などに舞う。
→関連項目桶胴門付ささら(楽器)獅子

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日本文化いろは事典の解説

獅子舞

日本各地で、正月やお祭の時に行われる、獅子頭を頭にかぶって舞う民俗芸能の事です。現在では日本全国地方によって様々ですが、主にお正月などの縁起の良い日に行われます。疫病退治・悪魔払いをするものとして大衆に広く信じられています。

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世界大百科事典 第2版の解説

ししまい【獅子舞】

獅子頭(ししがしら)(おもに木彫)をかぶって舞い,踊る民俗芸能。日本の芸能の中でもっとも古い歴史をもち,また様式や芸態の変化の少ないものである。猪(いのしし),鹿(かのしし)など獣類の頭をつける獅子舞は,《古事記》には弘計(おけ)王が鹿の角を捧げて舞ったこと,《万葉集》には鹿擬態を示唆する歌がある(後述)など,その来歴はきわめて古い。一方,獅子は古代の日本人にとって未見の動物であり,最強の獣との伝聞的認識と,仏教浄土の守護獣として悪霊を払う霊獣という信仰的認識により早くから広く国民的支持を得ていたと考えられる。

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大辞林 第三版の解説

ししまい【獅子舞】

獅子頭ししがしらをかぶって演ずる芸能。一人の人間が頭に獅子頭をいただいて舞う風流ふりゆう系統のものと、二人以上の人間が獅子のほろに入って舞う伎楽系統のものに大別される。 [季] 新年。
能楽で、獅子の遊ぶさまに擬した急調の舞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

獅子舞
ししまい

獅子頭(ししがしら)をかぶって舞う神事的な民俗芸能。獅子頭はおもに雄の獅子の頭をかたどった木製の作り物であるが、トラ、シカその他の場合もある。上古の日本人にとって獅子は現実の動物ではなかったが、空想上の威力ある聖獣であり、除魔招福の信仰の対象であった。獅子舞には渡来脈と固有脈があると考えられ、渡来脈を「二人立(ふたりだち)」、固有脈と目されるものを「一人立」という。二人立は6世紀なかばから7世紀にかけて、大陸から伎楽(ぎがく)とともに伝来したと推定される。752年(天平勝宝4)の東大寺大仏開眼供養に用いられた獅子頭が正倉院に伝存するが、今日の太神楽(だいかぐら)の獅子頭と形状的に大差がない。また7世紀なかばに伝来した舞楽(ぶがく)では、御願供養舞の一演目として演じられており、今日でも大阪四天王寺の聖霊会(しょうりょうえ)舞楽の四箇(しか)法要などにうかがえる。平安期以降は、祭礼の練り風流(ふりゅう)の一つとして、また田楽(でんがく)、神楽などに取り入れられて今日に至っている。[西角井正大]

二人立の獅子舞

1人が頭部と前肢、もう1人が尻(しり)部と後肢を受け持って1頭をなす形式の獅子舞で、胴体は幌(ほろ)である。『教訓抄』には五色の毛があると記され、『年中行事絵巻』では幌に毛が列状に配してあり、『信西古楽(しんぜいこがく)図』では縫いぐるみである。今日、九州の一部や沖縄には中国風に縫いぐるみ式のものがあるが、そのほかは幌式である。
 この形式は全国各地にみられるが、太神楽系がもっとも普及している。「伊勢太神楽(いせだいかぐら)」は、三重県桑名市太夫(たゆう)町に本拠を置く職能的な二人立獅子舞で、祈祷(きとう)の神事舞と奉納神楽、それに余興的な放下芸(曲芸)からなる。「江戸太神楽」は、寿(ことぶき)獅子という祈祷の舞のほかは曲芸で、以前は茶番も演じた。
 幕末以降、中部地方には、余興芸として歌舞伎(かぶき)を取り込んだ「獅子芝居」(女主人公を獅子が演じ、「嫁芝居」ともいう)も生まれた。今日の獅子芝居は非職能であるが、一般に非職能の獅子舞は祈祷の神事舞あるいは奉納神楽的な舞しか演じない。雌雄2頭出るケースも少なくなく、また獅子と絡む獅子あやしが出ることもある。なお、成年式など村落民が参加することに意義があるとする場合には、1頭の幌の中に数人ないし数十人も入ることがある。山伏神楽として知られる岩手県の「早池峰(はやちね)神楽」は多様な芸能をもつが、獅子神楽に分類されるように、「権現舞(ごんげんまい)」とよばれる祈祷の獅子舞に中心がある。東北地方にはこの系譜のものが多く、権現さまとよぶ獅子頭は神である。なお、虎頭・虎胴の「虎舞」も若干ある。[西角井正大]

一人立の獅子舞

1人で1頭をなし、多くの場合、腹に小型の太鼓をつけて打ちながら舞うが、3頭で1組をなすものと、おもに8頭で1組をなすものとがある。藩主の移封などによって西日本に伝わった例外はあるが、東日本にのみ存在する形態である。
 3頭1組のものは、男(お)獅子、女(め)獅子、中(なか)獅子などとよばれる3頭で構成され、「三頭(匹)獅子舞」「風流(ふりゅう)獅子舞」という。道化の獅子あやしが出ることが多い。関東を中心に甲信越、また福島県など東北地方の一部に及ぶ。「ささら」とよぶ土地もあり、夏祈祷として舞われるケースが多い。『幣掛(へいかかり)』『弓掛』『剣掛』などのほか、『女獅子隠し』などという曲目がよく演じられる。普通、笛の伴奏がつき、獅子歌もある。頭は獅子だけでなく、竜、イノシシ、カモシカ、クマなど地域の特性によって一様ではない。
 八頭式は東北地方固有である。「獅子踊」または「鹿踊」とも書くが、鹿(しし)はカノシシ(シカ)のシシである。8頭は中立(なかだち)と雌ジシのほか6頭の側(がわ)ジシからなる。岩手県奥州(おうしゅう)市の「梁川(やながわ)鹿踊」のように、大ぶりの締太鼓を下腹部につけて打ちながら踊る太鼓踊型と、同県遠野(とおの)市の「青笹(あおざさ)獅子踊」のように、身体の前面に大きな幕をかけてそれを翻して踊る幕踊型に大別される。後者では太鼓打ちを別に置く。頭は権現風にデフォルメされたものがほとんどで、角(つの)は太鼓踊型が本物の鹿の角を、幕踊型が板の作り物を用いる。円陣や方陣を形づくって踊り、シシ歌もあり、やはり『雌ジシ隠し』の曲がある。盆や年忌供養に踊られることが多い。
 一人立は古い資料に乏しく、歴史を特定しにくい。『万葉集』巻16の「乞食人詠(ほかいびとのうた)」などにかすかな根拠が求められ、『北野天満宮御祭絵巻』によって室町期の存在が確認される程度であるが、今日の一人立との関連を論証するに至らない。有名な新潟県月潟(つきがた)村(現新潟市南区)の「角兵衛獅子」も、もともと二人立か一人立か不詳である。太神楽系の獅子舞は陰陽道(おんみょうどう)の、山伏神楽系の権現舞と一人立の獅子舞は修験道(しゅげんどう)の、俗聖(ぞくひじり)たちが唱導した可能性が強い。
 なお、獅子舞(二人立)、あるいはこれに準ずる芸能は、中国、朝鮮をはじめ東アジアの各地に伝承している。[西角井正大]
『「民俗芸術三ノ一・獅子舞号」(1930/民俗芸術の会復刻『民俗芸術5』所収・1973・国書刊行会) ▽古野清人著『民俗民芸双書32 獅子の民俗』(1968・岩崎美術社) ▽本田安次著『延年』(1974・木耳社)』

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世界大百科事典内の獅子舞の言及

【雨乞踊】より

…この種の芸態の踊りは,さまざまの飾り物を身につける風流(ふりゆう)系の踊りであり,〈太鼓踊〉〈鉦踊〉〈念仏踊〉などがこれにあてられる。また,竜神が雨を呼ぶという信仰から,獅子頭を竜頭に見たて獅子舞を雨乞踊として踊ったり,竜頭舞を演じたりするところも関東にはある。一般に地域全体で関与することが多く,その組織も大規模で氏神の境内のほか水辺や山頂で踊る。…

【沖縄[県]】より

…芸能化したものでは,八重山列島に多い弥勒踊があるが,これはニライから稲,アワをもたらす弥勒のおとずれを歌と踊りで示すものである。また全域的にさまざまの祭りに登場する獅子舞も,遠くから来訪して災厄を払い豊穣をもたらすと信じられた神の芸で,シュロなどの繊維で編んだぬいぐるみの中に2人の踊手が入ってデイゴの獅子頭を振りまわしつつ豪快に踊る。その他祭りをにぎわす芸能で全域的に行われるものに棒術,棒踊の類があるが,棒術は真棒(まあぼう),組棒などといって,2人1組の男が三尺棒,六尺棒などを激しく打ち合わせるもの,棒踊はそれの舞踊化で,土地によって赤毛をかぶって曲技を演じたりする。…

【行道面】より

…来迎会の形式によっては地蔵,竜樹という僧形の面や阿弥陀如来の面,持幡先導役の天童面なども使用する。なお,神社の祭礼において神幸の先導に獅子舞と王舞を伴う場合があり,これに使用する獅子頭と王舞面(鼻高,鼻ノ王,王ノ鼻)も法要の場合の師子の一群と同じ系統の仮面と考えられるので,この種類に含めたり,追儺(ついな)や鬼追い(鬼走り)などの会式に用いられる鬼面もこの呼称によってまとめられることが多い。その題材は仏教の神格が多いし,技法的には同じ時代の舞楽面に共通するもので,作者はふつう仏師と考えられ,表現の特色はその時代の仏教彫刻に通ずる。…

【獅子】より

…(1)伎楽・舞楽の曲名および役名とその演技 〈師子〉と記した例が多い。ともに伝承は絶えているが,民俗芸能の獅子舞や鹿踊(ししおどり),能の獅子舞,近世邦楽や歌舞伎舞踊の獅子物・石橋物など,日本芸能史における獅子の芸能の淵源を示すものと考えられる。伎楽の獅子は,行道の先導役,治道(ちどう)に続いて登場し,悪魔払いの役目をつとめたとみられる。…

【銅鑼】より

…歌舞伎で縁を打つときは細桴を用いる。盤の直径30cmくらいから大小あり,歌舞伎囃子,明清楽,民俗芸能,寄席などでも用いられるが,民俗芸能では長崎の唐子踊(からこおどり)(獅子舞),沖縄の打花鼓(たーふあーく)や獅子舞など中国的な芸能に使用することが多い。多数のいぼを打ち出した疣銅鑼(いぼどら)と呼ぶ小型のものもある。…

【虎舞】より

…民俗芸能。獅子舞の一種であるが,虎の頭(かしら)をつけ,1頭に2人入って舞う二人立ちである。岩手県陸前高田市広田町の〈梯子(はしご)虎舞〉は,虎が大小の太鼓と笛の囃子ではしごを駆けのぼり,サブと称するあやし2人も扇と造花を持ってはしごにのり,アクロバティックな振りを見せる。…

【梯子乗り】より

…これには〈大亀〉〈遠見〉〈邯鄲(かんたん)夢の手枕〉などの型がある。千葉県君津市の〈鹿野山梯子獅子舞〉や岩手県陸前高田市の〈梯子虎舞〉のように,はしごは二人立ち系の獅子舞にもとり入れられている。歌舞伎の《蘭平物狂》では殺陣(たて)の型の一つになっている。…

【風流】より

…室町時代後期の風流踊を支えた層と,当時の能・狂言を享受した層とは共通で,風流踊の趣向には能の曲が転用され,その入破(いりは)(キリ)が踊りの中で演じられたことも多い。
[民俗芸能の風流]
 京都の祇園会の山鉾,日立市神峰神社の〈日立の風流物〉に代表される作り物の風流はもとより,風流踊の系譜を引く太鼓踊・羯鼓踊(かつこおどり)・花踊・雨乞踊,囃子物の伝統である鷺舞などの動物仮装風流,胸に羯鼓をつけた一人立ちの獅子舞鹿踊(ししおどり)をはじめ,念仏踊(踊念仏)や盆踊など,全国の民俗芸能には風流の精神を受け継いだ芸能が多い。民俗芸能を分類する場合,それらを一括して〈風流系芸能〉と称するが,その芸態は一様ではない。…

【八鹿踊】より

鹿踊(ししおどり)の一種。愛媛県宇和島市,東宇和郡,北宇和郡,喜多郡などに分布する一人立ちの8頭の鹿による風流系の獅子舞。伝承地では〈ししまい〉〈デンデコ〉などと呼ぶ。…

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