化学辞典 第2版 「五配位錯体」の解説
五配位錯体
ゴハイイサクタイ
complex with coordination number five
配位数が5の金属錯体.六配位錯体,四配位錯体に比べてその数は非常に少ない.構造は四角すい型と三角両すい型が知られているが,ほとんどが典型的な形からひずんでいる.この二つの構造はエネルギーに差がなく,非等価な位置にある配位子間の速い交換があり,配位子は再配列をうけ,片方の構造から他方の構造に変化するいわゆる非剛性錯体が多い.六配位錯体の解離機構における中間体,平面四角形型錯体の会合機構の中間体として,配位子の交換反応を明らかにするためにも重要な錯体群であり,注目を集めている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報