化学辞典 第2版 「四配位錯体」の解説
四配位錯体
シハイイサクタイ
complex with coordination number four
配位数が4の金属錯体で,六配位錯体についで多い.構造は平面正方形型と四面体型とがある.平面正方形型は PtⅡ,PdⅡ,CuⅡ錯体で多くみられ,またポルフィリン,フタロシアニンなどの平面形型の四座配位子からつくられる錯体にみられる.CuⅡ錯体では,Jahn-Teller効果により,八面体錯体から上下の二つの配位子が離れ,平面正方形型をとる.PtⅡ錯体について配位子の置換反応ではトランス効果が顕著である.このほかはほとんどが四面体錯体である.四面体錯体の配位子場は,対応する配位子がつくる六配位の八面体錯体の4/9であるので,ほとんどの四面体錯体は高スピン錯体をつくる.たとえば,[FeCl4]-,[CoCl4]2- など.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報