井陘(読み)せいけい(英語表記)Jǐng xíng

改訂新版 世界大百科事典 「井陘」の意味・わかりやすい解説

井陘 (せいけい)
Jǐng xíng

中国,河北省中西部の太行山脈中の県。人口31万4000(1994)。石家荘市に属し,別に市直轄の井陘鉱区(人口10万9000,1994)がある。山西省に境を接する。秦・漢以来県が置かれ,県北東の井陘関は太行八陘の第5陘に当たり,また土門関とも呼ばれた。秦・漢以来の軍事上の険要の地であった。漢初の前204年,韓信らは陳余をここに撃破し,唐代の安禄山の乱に際しては,唐軍との攻防の激戦地であった。しかし井陘の名がとくに世に出たのは井陘炭鉱の開発による。同鉱は1898年(光緒24)地元住民が開発したが,その後ドイツ資本が入り1908年以後中日戦争に至るまで中独合弁で経営された。そのほか陶磁器,石綿石材や干し果物の産出で知られる。県治は微水鎮。石太線(石家荘~太原)が県内を貫通する。
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