動脈の拍動が一拍ごとに強弱すること,あるいは心電図上,一拍ごとに波高が高低する現象をいう。機械的交互脈と電気的交互脈があり,両者が同時に認められることもある。機械的交互脈とは,動脈の拍動が一拍ごとに強くなったり弱くなったりする現象で,心囊に液体が貯留して心臓が浮遊状態となって振子運動をする場合や心収縮力の弱った場合に心拍出量が一拍ごとに増減するために起こる。心機能が著しく障害された症状の一つである。電気的交互脈は,通常心電図上,一拍ごとにQRS波の波高が増減する状態をいい,やはり心膜液貯留時などにみられる。とくに心電図のT波やU波などが一拍ごとに増減することもあり,心筋の障害と同時に電解質の異常がその原因となるといわれている。
執筆者:細田 瑳一
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