交差反応(読み)コウサハンノウ

デジタル大辞泉 「交差反応」の意味・読み・例文・類語

こうさ‐はんのう〔カウサハンオウ〕【交差反応】

交差免疫

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「交差反応」の解説

交差反応
コウサハンノウ
cross reaction

異なる金属錯体間の電子移動反応を交差反応といい,電荷が異なる同じ錯体間の電子移動反応を自己交換反応(self-exchange reaction)という.どちらも外圏機構で起こる.たとえば,

   [Fe(CN)6]4- + [Mo(CN)8]3-

[Fe(CN)6]3- + [Mo(CN)8]4-   

は交差反応で,

   [Fe(CN)6]3- + [Fe(CN)6]4-

[Fe(CN)6]4- + [Fe(CN)6]3-   

および,

   [Mo(CN)8]3- + [Mo(CN)8]4-

[Mo(CN)8]4- + [Mo(CN)8]3-   

は自己交換反応である.交差反応の電子移動反応速度定数k12 は,系の平衡定数K12,系を構成する錯体のそれぞれの自己交換反応速度定数 k11k22 と,

k122k11 × k22 × k12 × f

関係がある.ここで,fは1以下の係数である.この関係はMarcus-Hushによって提出されたもので,交差反応に対して直線形自由エネルギー関係(linear free energy relationship)が成り立つ(平衡反応を支配するギブズ自由エネルギーΔGと,速度を支配する活性化ギブズ自由エネルギーΔ Gとの間に関係がある([別用語参照]ギブズエネルギー))ことを示している.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android