異なる金属錯体間の電子移動反応を交差反応といい,電荷が異なる同じ錯体間の電子移動反応を自己交換反応(self-exchange reaction)という.どちらも外圏機構で起こる.たとえば,
[Fe(CN)6]3- + [Mo(CN)8]4-
は交差反応で,
[Fe(CN)6]3- + [Fe(CN)6]4- →
[Fe(CN)6]4- + [Fe(CN)6]3-
および,
[Mo(CN)8]3- + [Mo(CN)8]4- →
[Mo(CN)8]4- + [Mo(CN)8]3-
は自己交換反応である.交差反応の電子移動反応速度定数k12 は,系の平衡定数K12,系を構成する錯体のそれぞれの自己交換反応速度定数 k11,k22 と,
k122 = k11 × k22 × k12 × f
の関係がある.ここで,fは1以下の係数である.この関係はMarcus-Hushによって提出されたもので,交差反応に対して直線形自由エネルギー関係(linear free energy relationship)が成り立つ(平衡反応を支配するギブズ自由エネルギーΔGと,速度を支配する活性化ギブズ自由エネルギーΔ Gとの間に関係がある([別用語参照]ギブズエネルギー))ことを示している.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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