交換可能通貨(読み)こうかんかのうつうか(その他表記)convertible currency

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「交換可能通貨」の意味・わかりやすい解説

交換可能通貨
こうかんかのうつうか
convertible currency

いかなる国の通貨にも自由に交換できる通貨のこと。交換性 convertibilityには,非居住者が保有する自国通貨の外貨交換を認める場合と,居住者が保有する自国通貨の外貨交換を認める場合とがある。一般には前者に該当する通貨を交換可能通貨と呼ぶ。第2次国際通貨基金 IMF協定改正前の IMFは「事実上交換可能な通貨」を,協定第8条の義務を完全に履行している国ならびに IMFが指定する非加盟国の通貨と定義していたが,改正後この概念は廃止され,自由利用可能通貨 freely usable currencyという概念が採用された。この新しい概念において自由利用可能通貨は,(1) 当該通貨が事実上国際取引上の支払いを行うために広範に使用されていること,(2) 主要な為替市場において広範に取引されていることの2条件をそなえていなければならない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の交換可能通貨の言及

【交換性】より

…これらの措置は,その後の多角的な貿易の発展を可能にした点で歴史的意義をもつものであった。(2)旧IMF(国際通貨基金)協定(第2次改正前のもの)では,第8条(第2~4項)の義務を受諾する旨IMFへ通告した国(8条国)の通貨を交換可能通貨と呼んでいた。8条国とは経常取引の支払に対する制限,差別的通貨取決め,および複数通貨取決めをすべて撤廃した国であり,そのような国の通貨は居住者,非居住者を問わず,外国為替市場を通じて経常取引の支払に必要な外国通貨へ自由に交換できるからである。…

※「交換可能通貨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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