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人造黒鉛 じんぞうこくえんartificial graphite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人造黒鉛
じんぞうこくえん
artificial graphite

天然黒鉛に対し工業的につくった黒鉛。天然品と異なり,不純物が少く結晶性も均一であるため工業製品に適する。 1896年,アメリカの E.アチソンが炭化ケイ素製造炉に黒鉛が生成することを発見し,人造黒鉛工業が始められたので,アチソン黒鉛ともいわれる。原料のコークスなどの炭素材料粉体とピッチ,タールなどの粘結材で圧縮成形した生製品を約 1000℃で焼成すると,硬質炭素と呼ばれる炭素一次焼成品が得られる。これを黒鉛化炉に入れ,直接に電流を通じ,2600~3000℃に加熱すると炭素原子が規則的に並んだ加工しやすい人造黒鉛となる。製品は,原料および圧縮工程から縦方向と横方向で,強度,電気・熱の伝導性などが大きく異なる異方性をもつが,最近では技術改良により異方性のほとんどない等方性黒鉛も得られる。また,黒鉛化過程でフッ化物を用いると,ほとんどの不純物がとれるので,原子炉用黒鉛として用いられる。黒鉛製品は,熱の伝導性にすぐれ,耐熱・耐薬品性がよく,潤滑性に富む,など多くの特徴ある性質をもっているので,電気炉用・電解用電極,擢動用機械材料,各種化学機械材料,電機製品,原子炉用炉材など広く用いられている。また,白金に代る安価な不溶性陽極の代表でもある。

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世界大百科事典内の人造黒鉛の言及

【黒鉛】より

…電気炉用電極,電気分解用電極,ブラシ,耐熱塗料,黒鉛るつぼ,耐火煉瓦,潤滑剤,減摩剤,鉛筆の芯などのほか,原子炉用の減速材,反射材など広い用途がある。
[人造黒鉛artificial graphite]
 黒鉛は広い用途をもつため,現在では工業的に製造された人造黒鉛が使用されている。アメリカのE.G.アチソンは,1896年に炭化ケイ素SiC製造用の炉を調べたところ,炉内の最高温度になる部位にSiCが分解して黒鉛が生成していることを発見,アーク炉により人造黒鉛を製造することを考えた。…

※「人造黒鉛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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