アチソン(読み)あちそん(英語表記)Dean Gooderman Acheson

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アチソン」の意味・わかりやすい解説

アチソン(Dean Gooderman Acheson)
あちそん
Dean Gooderman Acheson
(1893―1971)

アメリカの政治家、国務長官民主党)。コネティカット州出身。エール、ハーバード両大学に学ぶ。政財界と関係の深い弁護士となり、1933年ルーズベルト政権の財務次官に任じられるが、金買上げ策に反対して辞任。第二次世界大戦中ふたたび国務次官補となり、連合国援助、IMFや世界銀行の創設に努力。1945年から国務次官としてトルーマン・ドクトリンマーシャルプラン形成に参画した。1949年から1953年まで国務長官を務め、その間NATO(ナトー)創設、日米安保条約締結など対ソ封じ込め政策の完成に努めた。引退後も対外政策の「識者」として政界に一定の影響力を有し、とくにジョンソン政権にベトナム戦争の早期終結政策への転換を提言した。メリーランド死去

[遠藤雅己]


アチソン(Edward Goodrich Acheson)
あちそん
Edward Goodrich Acheson
(1856―1931)

アメリカの発明家。1880~1881年にエジソン助手、のち電気炉を改良し、人造ダイヤモンドをつくる実験過程カーボランダムを得た。1895年、無定形炭素通電による高温グラファイトに変化させることに成功し、さらにグラファイトをガロタンニン酸で処理した微粒のコロイド状耐熱潤滑剤を発明した。1928年アメリカ電気化学会は、彼の寄付金をもとに、学界功労者に与えるアチソン賞を設けた。

[加藤邦興]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アチソン」の意味・わかりやすい解説

アチソン
Acheson, Dean Gooderham

[生]1893.4.11. コネティカット,ミドルタウン
[没]1971.10.12. メリーランド,サンデースプリングス
アメリカの政治家。 1918年ハーバード大学大学院法科卒業。 33年財務次官,41年国務次官補,45~47年国務次官,49~53年国務長官。 H.トルーマン政権の対外政策の主要な立案者であった。アチソンは西ヨーロッパの経済復興と安全保障とを重視し,北大西洋条約を推進する一方,中国国民政府に対する援助政策は清算する方針をとった。 50年1月には,太平洋におけるアメリカの防衛線はアリューシャン-日本-沖縄-フィリピンを結ぶ線であると演説,南朝鮮を含めていなかったため,朝鮮戦争勃発後,共和党の政治家らから非難された。 51年対日講和条約の際のアメリカ首席全権。国務長官退官後法曹界にもどったが,歴代大統領の外交政策顧問として活躍。 国務長官時代の回想録"Present at the Creation"で 70年ピュリッツァー賞受賞。

アチソン
Atchison

アメリカ合衆国,カンザス州北東部ミズーリ河畔の都市。 1854年奴隷制度支持者によって築かれた町で,町の名もその指導者 D. R.アチソンに由来。町は,アチソン-トピーカ間に鉄道が開通して発展した。現在,各種工業製品や穀物,家畜の集散地である。人口1万 656 (1990) 。

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