仕込杖(読み)しこみづえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「仕込杖」の意味・わかりやすい解説

仕込杖
しこみづえ

細身刀剣を杖の中に仕込んで、杖と武器を兼用したものである。正倉院に、奈良時代のもので、鞘(さや)を杖に仕立てた呉竹鞘杖刀(くれたけさやじょうとう)がある。しかしその後の遺例はなく、近世に至って用いられ、明治期の廃刀令以後、護身用として、結社して対立する壮士たちなどの携帯するところともなった。

[齋藤愼一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android