仰仰(読み)ぎょうぎょうしい

精選版 日本国語大辞典 「仰仰」の意味・読み・例文・類語

ぎょうぎょう‐し・い ギャウギャウ‥【仰仰】

〘形口〙 ぎゃうぎゃうし 〘形シク〙 おおげさである。ぎょうさんである。たいそうである。
壒嚢鈔(1445‐46)二「指過ぎたる事をきょうきょうしゐと云ふは何れの字を用ふべきぞ。業々と書くべき歟。文選に反宇(それるのき)業々(キョウキョウ)とたかしとよめり。李善が注に高く峻㒵と云へり、其心叶へるにや」
浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)中「ぎゃうぎゃうしい白むく着たは」
[語誌](1)語源は明らかではないが、室町時代には「げう」「ぎょう」と書かれており、「ぎゃう」と読まれる「仰」ではなかったらしい。
(2)挙例の「壒嚢抄‐二」は「業々」を語源とするが、意味的には「ぎゃう(仰)」「ぎゃうさん(仰山)」と関連があること、また、「業々」が形容詞に活用するほど一般語化していたとは考えにくいことの二点から、妥当性を欠く。
(3)「元亀本運歩色葉集」に「希有々々敷 ケウケウシク」とあることから「けう(希有)」が変化して「げう」となり、それを重複させて形容詞に活用したものとも考えられるが、断定はできない。
(4)「仰」の字をあてるのは、近世、「げう」と「ぎゃう」の音韻上の区別がなくなってからのことである。
ぎょうぎょうし‐げ
〘形動〙
ぎょうぎょうし‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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