のけ‐かぶと【仰兜】
- 〘 名詞 〙 かぶっている兜の、緒がゆるんで、後ろへずりさがること。
- [初出の実例]「武士ども五六騎のけかぶとにたたかいなって」(出典:平家物語(13C前)九)
仰兜の補助注記
「平家‐九」に「しころをかたぶけよ、うちかぶとをいさすな」とあるように、戦闘時において兜は通常目深くかぶり、錣(しころ)を前に傾けるようにして内兜を防御するのが、心得とされた。しかし、激戦の中では緒が緩み、錣の重みで次第に兜は後ろに傾く。したがって、挙例の状況は激戦中または直後の姿であるといえる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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