仰兜(読み)のけかぶと

精選版 日本国語大辞典 「仰兜」の意味・読み・例文・類語

のけ‐かぶと【仰兜】

  1. 〘 名詞 〙 かぶっている兜の、緒がゆるんで、後ろへずりさがること。
    1. [初出の実例]「武士ども五六騎のけかぶとにたたかいなって」(出典:平家物語(13C前)九)

仰兜の補助注記

「平家‐九」に「しころをかたぶけよ、うちかぶとをいさすな」とあるように、戦闘時において兜は通常目深くかぶり、錣(しころ)を前に傾けるようにして内兜を防御するのが、心得とされた。しかし、激戦の中では緒が緩み、錣の重みで次第に兜は後ろに傾く。したがって、挙例の状況は激戦中または直後の姿であるといえる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android