仲里旧記(読み)なかざときゅうき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「仲里旧記」の意味・わかりやすい解説

仲里旧記
なかざときゅうき

沖縄久米(くめ)島の仲里間切(まぎり)に関する旧記。『琉球(りゅうきゅう)国由来記』編纂(へんさん)のための基礎資料として、1700年代初頭につくられたと考えられる。内容は、グスク・イベの由来、御嶽(うたき)の神名、村立ての由来、祭祀(さいし)で行われる呪詞(じゅし)や神歌、年中行事など。琉球国全域にわたる唯一の風土記資料『琉球国由来記』の成立事情をうかがわせる最古のものであり、また、雨乞(あまご)い、虫封じ豊穣(ほうじょう)祈願造船などを主題とする沖縄の呪祷(じゅとう)的古代文学を、豊富に収録している点でも貴重である。琉球大学図書館蔵。

外間守善

『『校注仲里旧記』(『仲原善忠全集3』所収・1978・沖縄タイムス社)』『沖縄久米島調査委員会編『沖縄久米島 資料篇』(1983・弘文堂)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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