伴緒

山川 日本史小辞典 改訂新版 「伴緒」の解説

伴緒
とものお

伴男とも。大和政権において伴(とも)や部(べ)を率いた官人。伴は官人で,これに従属する部を率い,伴緒は伴を統率する者をさすことが多く,伴造(とものみやつこ)に近い。「古事記」には天孫降臨随従した「五伴緒(いつとものお)」を記し,それぞれ中臣連(なかとみのむらじ)・忌部首(いんべのおびと)・猿女君(さるめのきみ)・鏡作(かがみつくり)連・玉祖(たまのおや)連の祖であるという。「万葉集」巻20の大伴家持の歌には「名に負う伴緒」とみえ,朝廷の職務を世襲的に分掌する負名氏(なおいのうじ)としての自負がうかがわれる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android