最新 地学事典 「位相問題」の解説
いそうもんだい
位相問題
Phase problem
X線による結晶構造解析では,位相情報を知れれば,結晶構造因子Fの式から単位胞の電子密度分布がわかるが,実際にX線回折実験から得られる情報は,結晶から回折された回折強度Io(結晶構造因子Fで書くとIo ∝ |F|・|F|*)であり,位相情報は欠如し構造因子の振幅しか知ることができない。この問題については現在でも,完全な解を得る方法はなく,X線結晶学における本質的な難問とされる。この構造因子の位相情報を得ることに関する問題が結晶構造解析における位相問題である。
執筆者:栗林 貴弘
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

