低温酸化(読み)ていおんさんか

最新 地学事典 「低温酸化」の解説

ていおんさんか
低温酸化

low-temperature oxidation

チタノマグネタイトが400℃以下の低温で酸化を受けると,1相のスピネル構造を保ったままでFe3/Fe2比(酸化度)が増大する現象。2価の鉄イオンが3価に変わると同時に,一部がスピネル構造に空孔を残したまま鉱物の表面へ拡散で運ばれる。低温酸化を受けるとマグネタイトはマグヘマイトに,チタノマグネタイトはチタノマグヘマイトになる。海嶺付近の海底で噴出した玄武岩では,噴出後約100万年までの間に,低温酸化が急速に進行するといわれる。また,長野県野尻湖周辺の2万~3万年前に形成された火山灰質堆積物中の磁性鉱物は,非泥炭質の場合ではマグネタイトのままであるが,泥炭質層ではマグネタイトは溶け去り,マグヘマイトが残っているか高温酸化のイルメナイトラメラが残っているのみで,古地磁気学の試料に不適であった。一方,新第三紀中新世のグリーンタフ変動を受けた火山岩類は低温酸化を受けている場合が多いが,ヘマタイトの形成が相対的に微量な段階では残留磁化の安定性は高い場合が多く,古地磁気復元の試料に利用できる。

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参照項目:高温酸化

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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