過去における地球磁場の変遷を調べ、そのデータを用いて過去の磁場の特徴を抽出し、さらに応用として過去の地殻変動や大陸の移動などを推測する学問。火成岩、堆積(たいせき)岩などはその生成した当時の磁場の方向を残留磁化として保持している。この残留磁化を測定して、逆に過去の磁場を知るわけである。世界各地での測定から、過去においても地球磁場はおおよそ双極子型をしており、またしばしば極性の反転があったことが明らかになった。地磁気の反転は、海洋底拡大のようすを調べるための強力な手段となり、また磁場が双極子型であるために、異なる大陸間の相対運動が導かれることが、プレートテクトニクス以前の大陸移動説の復活(1950年代)に重要な役割を果たした。現在では、海洋底拡大の証拠が残っていない、いまから約2億年より以前の大陸移動を検証することや、地磁気逆転、強度変化など、地磁気発生の原因論にとって基本的なデータを提供することに重要な寄与をしている。
[河野 長]
『小玉一人著『古地磁気学』(1999・東京大学出版会)』
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…過去の地磁気を古地磁気と呼び,その状態を研究する分野を古地磁気学と呼ぶ。特に1万年くらい前までの期間についての古地磁気学を考古地磁気学と呼んで区別することがある。…
※「古地磁気学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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