磁性鉱物(読み)じせいこうぶつ

最新 地学事典 「磁性鉱物」の解説

じせいこうぶつ
磁性鉱物

magnetic minerals

鉱物は磁場中に置かれると,程度の差はあれ磁場と相互作用をもつ。磁場と同じ方向に磁化するものを常磁性体鉱物,それと反対方向に磁化するものを反磁性体鉱物という。広義の常磁性体のうちで磁場を取り去った後も磁気スピンが一方方向にそろって磁化を保っている性質(自発磁化)を示すものを強磁性体といい,そのうち磁化軸に平行および反平行なスピンの差としての自発磁化を示すものをフェリ磁性体という。このような自発磁化をもつ鉱物を磁性鉱物という。地球上にふつうにみられる磁性鉱物は圧倒的に鉄の化合物が多い。特に鉄の酸化物は磁化が強いものが多く,量的にも豊富である。鉄の酸化物としては,磁鉄鉱(magnetite, Fe3O)とウルボスピネル(ulvöspinel, Fe2TiO)の固溶体系列(チタノマグネタイト系列,titanomagnetite series),および赤鉄鉱(hematite, α-Fe2O3)とイルメナイト(ilmenite, TiFeO3)の固溶体系列(ヘマタイト-イルメナイト系列,hematite-ilmenite series)の二つの系列がある。チタノマグネタイト系列は酸化の過程で,マグヘマイト(maghemite, γ-Fe2O3)やチタノマグヘマイト(titanomaghemite)を生じる。鉄の硫化物の一部も強い磁性を示す。磁硫鉄鉱(pyrrhotite,Fe7S8),グリグ鉱(greigite, Fe3S)などである。また,鉄の水酸化鉱物であるゲーサイト(goethite, α-FeOOH)も弱いが安定な磁化を示す。海底には鉄マンガンの化合物であるヤコブス鉱(jacobsite, MnFe2O)や轟とどろき石(todorokite)などが磁性を示す鉱物として知られている。隕石などの地球外物質には,上記以外に鉄やニッケルなどの金属化合物であるカマサイト(kamacite, α-FeNi),テーナイト(taenite, γ-FeNi),テトラテーナイト(tetrataenite, FeNi),アワルアイト(awaruite, FeNi3),シュライバーサイト(schreibersite, (Fe,Ni,Co)3P)などが磁性鉱物としてみられる。参考文献:W.OʼReilly(1984) Rock and Mineral Magnetism, Blackie

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参照項目:磁性体

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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