低置胎盤(読み)ていちたいばん(その他表記)Low lying placenta

六訂版 家庭医学大全科 「低置胎盤」の解説

低置胎盤
ていちたいばん
Low lying placenta
(女性の病気と妊娠・出産)

どんな病気か

 胎盤が子宮下部に付着しているが内子宮口には達していないものをいいます。胎盤下縁と子宮口との距離に関する明白な定義はありませんが、2㎝以下の場合には産科異常が多いため、そのような場合を低置胎盤と呼ぶことが多いようです。

 胎盤実質は内子宮口に達していなくても、胎盤周辺部の血管拡張が内子宮口付近に存在し、子宮収縮とともに出血を起こすことがあります。

管理の方法

 出血の多い場合は前置胎盤(ぜんちたいばん)と同様の管理が必要になります。しかし、児頭の下降によって胎盤の下端が圧迫され、分娩の進行や破水(はすい)によりそれ以前にみられた出血が減少することがあるため、経腟(けいちつ)分娩が可能な場合も少なくありません。子宮下部は子宮筋の収縮が不良であるため、前置胎盤と同様に分娩時に大量出血となりやすく、胎盤娩出後の出血に対する管理が重要です。

上妻 志郎

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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