分娩(読み)ぶんべん

精選版 日本国語大辞典 「分娩」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐べん【分娩】

〘名〙 胎内の子を生むこと。出産お産
読本垣根草(1770)四「隣家孕婦(ようふ)、数(す)日産に臨みて分娩(ブンベン)(〈注〉ムマレ)せず」

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デジタル大辞泉 「分娩」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐べん【分×娩】

[名](スル)胎内の子を体外に産み出すこと。出産。「産院分娩する」
[類語]産む産み落とす出産お産安産難産初産ういざん初産しょざん初産はつざん産する身二つになる腹を痛める産卵産み付ける抱卵かえかえ孵化ふか孵卵托卵

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「分娩」の意味・わかりやすい解説

分娩
ぶんべん

哺乳(ほにゅう)類の妊娠末期に胎児を腟腔(ちつこう)を通して外部に排出する現象。分娩には多くのホルモンが関与する。まず母体では、妊娠末期になり黄体ホルモンが低下して発情ホルモンの作用が強まると、子宮筋が下垂体後葉のオキシトシンに反応して収縮を始める。一方、胎児のほうも、妊娠末期に下垂体前葉からの副腎(ふくじん)皮質刺激ホルモンを分泌して自分の副腎皮質からコルチコイドを出させ、それが胎盤を刺激してプロスタグランジンの合成と放出をおこさせる。そしてこの物質が母体の子宮を収縮させたりオキシトシンの分泌を刺激したりする。こうして、胎児は子宮の収縮とともに旋回しながら下降してくる。この際、骨盤の恥骨連合が弛緩(しかん)していないと胎児が外部に出られない。恥骨連合は結合組織性の靭帯(じんたい)で、レラキシンというペプチドホルモンの作用で弛緩する。レラキシンはブタの黄体や胎盤から抽出されている。分娩は、胎児の排出後に残った胎盤が放出されて完了する。

高杉 暹]

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改訂新版 世界大百科事典 「分娩」の意味・わかりやすい解説

分娩 (ぶんべん)

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百科事典マイペディア 「分娩」の意味・わかりやすい解説

分娩【ぶんべん】

出産

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妊娠・子育て用語辞典 「分娩」の解説

ぶんべん【分娩】

胎児が母体から外に出てくること、そのプロセスをいいます。一般には「お産」とも。

出典 母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(母子愛育会総合母子保健センター所長)、子育て編:渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科科長)妊娠・子育て用語辞典について 情報

栄養・生化学辞典 「分娩」の解説

分娩

 出産ともいう.妊婦が胎児,胎盤を産道から母体外に出す過程

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分娩」の意味・わかりやすい解説

分娩
ぶんべん

出産」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の分娩の言及

【異常分娩】より

…分娩(出産)の経過が正常の経過をたどらず,通常の場合以上の人工介助を必要としたり,母体や胎児に傷害を生ずるような分娩をいう。娩出力(陣痛,腹圧),娩出物(胎児および付属物),産道(骨産道,軟産道)の三つを分娩の3要素といい,それらがいずれも正常で,しかも釣合いがとれている場合には分娩は正常の経過をとる。…

【関節】より

…したがって多少の可動性があるが,とくに女性では動きやすく,ときには繊維軟骨のなかに関節腔が存在することがある。これは分娩に際して骨盤腔を広げ,産道を広くして胎児の娩出を助ける。ある種の動物では女性ホルモンを投与することによって,恥骨結合を実験的に広げることができる。…

【計画分娩】より

…陣痛を誘発し,分娩の終了を計画的に行うこと。分娩は多くの場合,異常なく経過するものであるが,ときに突発的に大出血を起こし,母体死亡にいたることもある。…

【出産】より

…分娩(ぶんべん)ともいう。胎生の動物で母体内での発達を終えた胎児(胎子)が母体から放出されること。…

※「分娩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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