作り物語(読み)ツクリモノガタリ

デジタル大辞泉 「作り物語」の意味・読み・例文・類語

つくり‐ものがたり【作り物語】

仮作物語。つくりばなし。
平安時代の物語の一種古来民間伝承漢文にみる伝奇などから発展した、虚構性・伝奇性の強い物語。竹取物語宇津保物語など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の作り物語の言及

【歌物語】より

…語彙としては二義あり,一つは早く《栄華物語》(〈浅緑〉)にもみえ,歌にまつわる小話の意で,当時〈うたがたり〉と呼ばれた口承説話とほぼ同一内容のものと思われる。二つは近代に入ってからの新しい用法で,《竹取物語》《宇津保物語》などを〈作り物語〉と古くから呼んできたのに対して,《伊勢物語》《大和(やまと)物語》《平中(へいちゆう)物語》の三つを新しく区別して呼んだのであり,文学史記述の便宜から生じた用語である。現在ではこの第二義の面で論じられることが多い。…

【作絵】より

…平安時代の説話画,なかでも絵巻など小画面絵画に用いられた絵画技法。初めに墨線でおおよその下描をし,それに従って画面全体を濃密な彩色で塗りつめ,最後に人物の顔の輪郭や目鼻,着衣の衣文などの細部を墨線で描き起こす。宮廷絵所の絵師をはじめとする専門画家によって小画面細密画に用いられ,洗練された技法で当時の文学におけるフィクション,いわゆる〈作(つくり)物語〉と深く結びつき,物語の情趣を絵画化するうえで最も密度の高い独特の表現様式を生み出すもととなった。…

※「作り物語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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