価値情緒説(読み)かちじょうしょせつ(英語表記)emotive theory of value

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

価値情緒説
かちじょうしょせつ
emotive theory of value

価値判断は判断主体の個人的な感情,情緒の表明にすぎないという説。この立場からすると,事実判断は対象が具備している実在的な性質を指摘するものであり,その真偽が客観的に判定できるが,価値判断は対象の実在的な性質を指摘しているわけではないので,真理値をもたないこととなる。したがって,価値の問題は科学的認識の領域外にあり,価値についての争いは実践的にのみ解決されるものとされる。価値情緒説という名称は現代のイギリス,アメリカの価値論ないし倫理学で用いられ,A.エイアー,B.ラッセル,C.スティーブンソンらによって代表されるが,M.ウェーバー,G.ラートブルフ,H.ケルゼンらの価値相対主義も実質的にはこれに近い。

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