価値情緒説(読み)かちじょうしょせつ(英語表記)emotive theory of value

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

価値判断は判断主体の個人的な感情,情緒の表明にすぎないという。この立場からすると,事実判断は対象が具備している実在的な性質を指摘するものであり,その真偽が客観的に判定できるが,価値判断は対象の実在的な性質を指摘しているわけではないので,真理値をもたないこととなる。したがって,価値の問題は科学的認識の領域外にあり,価値についての争いは実践的にのみ解決されるものとされる。価値情緒説という名称は現代のイギリス,アメリカの価値論ないし倫理学で用いられ,A.エイアー,B.ラッセル,C.スティーブンソンらによって代表されるが,M.ウェーバー,G.ラートブルフ,H.ケルゼンらの価値相対主義も実質的にはこれに近い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ブラックフライデー

米国などで、感謝祭(11月第4木曜日)の翌日の金曜日のこと。休日とする職場が多く、商店にとってはクリスマス商戦の初日に当たる。「ブラック」は、買い物客による混雑、または黒字を連想させることから。→サイ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android