修正指数曲線(読み)しゅうせいしすうきょくせん(その他表記)modified exponential curve

日本大百科全書(ニッポニカ) 「修正指数曲線」の意味・わかりやすい解説

修正指数曲線
しゅうせいしすうきょくせん
modified exponential curve

テレビや自動車などの販売数量の増加傾向、コンピュータ演算速度の上昇傾向など、経済活動や技術進歩、その他の経済的、社会的な時間的変動傾向を説明し、あるいはそれらの将来を数量的に予測するために用いられる成長曲線の一つ。t時点における観察対象の変数の値をC(t)とすると、
  C(t)=abrt
によって示される。この曲線は、基本となる指数曲線の式
  Y(t)=rt
において、被説明変数Y(t)をより一般的なスケールと位置関係をも表しうるように

なる関係式から得られるC(t)で置き換えることによって修正されたものであるため、修正指数曲線の名がある。C(t)の観測データを用いて最小二乗法によって係数を推定するためには、C(t)の限界値となるaをなんらかの方法で予測することにより、あらかじめ与えておかなければならない。この曲線は、当然ながら一般の指数曲線と同じく成長の初期過程の傾向はよく説明しえても、成熟過程には当てはまらない。

高島 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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