僻案(読み)ヘキアン

デジタル大辞泉 「僻案」の意味・読み・例文・類語

へき‐あん【×僻案】

かたよっている考え。まちがっている考え。自分の考えをへりくだってもいう。愚案。愚考。
「―条々、愚意にまかせていささか左にしるす」〈連理秘抄

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精選版 日本国語大辞典 「僻案」の意味・読み・例文・類語

へき‐あん【僻案】

  1. 〘 名詞 〙 かたよった考え。誤った考え。また、自分の考えをへりくだっていう語。愚考。
    1. [初出の実例]「地獄の苦はまぬがれなんなんどをもえるは僻案にや」(出典:日蓮遺文‐顕謗法鈔(1262))

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世界大百科事典(旧版)内の僻案の言及

【仮名遣い】より

…そこで藤原定家は,これらをなにかの規準によって使い分けるべきであると考え,〈お〉と〈を〉とは,言葉のアクセントの低いと高いとによって使い分け,他は古文献の例によるという規準を立てて,みずから実行した。この規準は《色葉字類抄(いろはじるいしよう)》という当時の辞書の語の掲出のしかたにヒントを得たらしいが,定家は少しばかりの実例をあげた《僻案(へきあん)》という簡単な冊子を書いて人に示した(この冊子は普通は《下官集(げかんしゆう)》とよばれている)。定家は仮名遣いの原理を詳しく説明しなかったが,歌道における藤原定家の盛名によって,この仮名使用法は,和歌や物語類を平仮名で記す作法として世に行われるようになった。…

※「僻案」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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