連理秘抄(読み)レンリヒショウ

デジタル大辞泉 「連理秘抄」の意味・読み・例文・類語

れんりひしょう〔レンリヒセウ〕【連理秘抄】

南北朝時代連歌論書。1巻。二条良基著。正平4=貞和5年(1349)ごろの成立。「僻連抄」を改訂したもの。前半は連歌の沿革作句心得などを述べ、後半式目で、「応安新式」のもととなるものと考えられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「連理秘抄」の意味・読み・例文・類語

れんりひしょうレンリヒセウ【連理秘抄】

  1. 連歌学書。一巻。二条良基著。貞和五年(一三四九)頃の成立。前半は連歌の沿革・作句の心得・付方賦物(ふしもの)嫌物風体など、後半の式目は「応安新式」の草稿とも考えられる。現存連歌学書の最古のもので、のちの規範となった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「連理秘抄」の意味・わかりやすい解説

連理秘抄
れんりひしょう

二条良基(よしもと)作の連歌(れんが)論。初め『僻連抄(へきれんしょう)』の名称のものが1345年(興国6・康永4)に書かれ、改訂を重ね、49年(正平4・貞和5)に、当時の地下(じげ)連歌師第一人者であり、良基の協力者でもあった救済(きゅうせい)の校閲を経て完成したらしい。連歌の歴史の展望に始まり、連歌制作に必要な基本的事項をよく網羅してある。また当時の式目(しきもく)が付載されているが、いわゆる「連歌新式」の母型となるものと考えられる。

[奥田 勲]

『木藤才蔵・井本農一校注『日本古典文学大系66 連歌論集・俳論集』(1961・岩波書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「連理秘抄」の意味・わかりやすい解説

連理秘抄
れんりひしょう

南北朝時代の連歌学書。二条良基著。2巻。正平4=貞和5 (1349) 年成立。『僻連抄』は本書の初稿本。前半は連歌の沿革,句作の心得,付様,賦 (ふし) 物,嫌 (きらい) 物,風体,会席などについて述べ,後半は,連歌式目を「建治の新式」を指南としていちいち具体的な例をあげて説く。前半は連歌に対する良基の初期の考えを知るうえの貴重な資料で,後半はまた『連歌新式』の原型として意義がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android