先備(読み)さきぞなえ

精選版 日本国語大辞典 「先備」の意味・読み・例文・類語

さき‐ぞなえ ‥ぞなへ【先備】

〘名〙
本陣の前に備える軍隊先頭に立つ部隊先衆先手(さきて)先陣
※甲陽軍鑑(17C初)品二九「先備へ、御使に参り、敵の内にをひて、馬上にて、下知仕る武士と組うちも二度」
行列などで、先頭に立つこと。また、そのもの。
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)三「かたるまにさきぞなへの供馬引馬乗りがへおつづら馬」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の先備の言及

【合戦】より

…その編成表が分限帳(ぶげんちよう)であるが,それによれば大名の軍隊は,家老を大将とするほぼ1万石程度の戦闘単位である備(そなえ)によって構成され,大名自身も旗本備または本陣と呼ばれる直属の戦闘単位を率いた。各備は先備(さきぞなえ)・二の備・本陣・殿(しんがり)のように合戦における役割によって配列され,本陣からの命令は使番(つかいばん)によって伝達され,その実行が監察された。備の内部は押(おし)(行軍)の順序に従って編成され,先頭には大型の旗数本を持つ旗指(はたさし)の集団が配置され,旗奉行が統率する。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」