六訂版 家庭医学大全科 「先天性胆道拡張症」の解説
先天性胆道拡張症
せんてんせいたんどうかくちょうしょう
Congenital biliary dilation
(子どもの病気)
どんな病気か
胆汁を排泄する胆管の一部が
原因は何か
先天的異常と、出生後に生じた可能性のものがあります。後者の場合は、
正常な状態では、膵管と胆管は十二指腸の壁内で合流し、オッジ筋と呼ばれる
症状の現れ方
反復性の腹痛、嘔吐、発熱が現れます。とくに腹痛は、テンプラなどの脂肪を多く含んだ食事のあとに多くみられます。これは、膵液の分泌が増して胆管炎や膵炎を合併し、それが悪化したためと考えられます。そのため、脂っこい食事を好まないようになったり、食事そのものをひかえるようになる場合もあります。
症状が長期にわたると、胆道の拡張が増強して腹部腫瘤ができたり、胆汁の排泄が悪くなって黄疸が現れることもあります。
検査と診断
発熱と食後の腹痛、嘔吐を繰り返す場合は、
画像診断では超音波検査が有用で、
治療の方法
膵胆管合流異常が原因と考えられることから、外科的手術が必要になります。拡張部の胆管を切除し、肝内胆管と空腸の
病気に気づいたらどうする
食後の腹痛、嘔吐、発熱を繰り返す場合は、小児科医に相談してください。先天性胆道拡張症が疑われたら、血液検査などを進めていく必要があります。
大塚 宜一
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報