先天性胆道閉鎖症(読み)せんてんせいたんどうへいさしょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

先天性胆道閉鎖症
せんてんせいたんどうへいさしょう

乳児にみられる疾患で、肝臓から胆汁を十二指腸に誘導する肝外胆管(総肝管および総胆管)が閉塞(へいそく)しているものをいう。発生は1万人に1人といわれ、その原因は先天異常でなく、胎生期あるいは出生直後の肝胆道感染と考えられている。この病気は肝外胆管の閉塞だけでなく、肝内胆管の発育不全を伴うことがよく知られており、またそのために手術的治療がむずかしい。症状は、生理的黄疸(おうだん)が消退してまもなくより始まる黄疸と黄色尿である。患児の機嫌は悪くないが、手術以外に救命する手段はない。放置すれば黄疸が長引き、肝臓は胆汁性肝硬変に進展して、肝不全または食道静脈瘤(りゅう)の破裂で死亡する。本症の手術法である肝門部消化管吻合(ふんごう)術はわが国で開発されたものであり、欧米でもその評価を得ているが、まだ満足できる成績はあがっていない。小児悪性腫瘍(しゅよう)とともに、小児外科でもっとも努力されている分野である。[戸谷拓二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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